6/18
作:唐十郎
演出:金守珍
会場:新宿・花園神社境内特設紫テント 東京都新宿区新宿5-17-3
6/18 19:00
本多劇場オーナーなどをキャストに迎えての作品.ああこの目の前にいるじいさんが下北沢の小劇場演劇の文化をつくった人間なのだと思うとすごく興奮した.
最初にその手のサブカル系のゲストを片っ端から金守珍が紹介するのだが,途中でダレる.紹介がいかにも紹介になってしまい,盛り上がらない.サブカルの同窓会だ,と思ったときに金守珍のやり口がなんだか見えてしまった気がした.要は,アングラ演劇や昔のサブカル文化を(花園神社というアングラ演劇の聖地で!)立ち上がらせ,懐かしみたい人やそんな古き良き感じのする文化に触れたい人間を爆釣りするのだ.それはそれで意義深い事業だと思う(前作・李麗仙主演『少女仮面』なんかはひとつの事件だと思う)のだが,まんまと引っかかってしまったと思った.
さて作品のほうは,正直言ってセリフが間延びして会話に緊張感がなく,正直退屈した.『二都物語』の時もそうだったのだが,そのときはキーとなる台詞や音楽の力強さがあったので唐作品ならではの興奮を持続して持つことができた.おまけに最後に唐十郎が客席から出てきたりしたもんだから,大満足なのであった.今回はその辺の要素がない上に先述の通り金守珍のやり口に醒めてしまったのもあり,興奮を持続させることができなかったわけだ.うーん.
次回公演はマクベスをやるらしいが,正直あんまり興味はない.唐の作品をまたやることになったとしても,目玉になる何かが無いと,見に行こうという気は正直起きんだろう,と思う.
状況劇場の作品の映像記録なんかは残ってないんだろうか.残ってないんだろうなあ…….